不動産に関わる取引を行っていると避けて通れないのが「支払調書」です。不動産の使用料等の支払調書の書き方や、法人と個人で異なる提出基準、エクセルでの作成方法など、多くの方が疑問を抱えています。「不動産の支払調書とは何のため?」「支払調書は不動産で15万円以下なら必要ない?」といった質問も多く寄せられます。
この記事では、不動産等の譲受けの対価の支払調書や不動産の使用料等の支払調書合計表など、不動産取引に関わる各種支払調書について詳しく解説します。フォーマットのダウンロード方法や実務での活用法、支払調書を出さないとどうなるかというリスクについても触れていきます。
「支払調書でバレることはないですか?」という不安や「支払調書はいらない場合ってどんな場合?」という疑問にもお答えします。支払調書を出す理由から実践的な対応方法まで、不動産取引における税務報告の基礎知識を網羅的にご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

支払調書とは?不動産に関する基本

- 支払調書とは?不動産で使う理由と目的
- 支払調書は何のため?を明確に理解しよう
- 支払調書がいらない場合ってどんな場合?
- 支払調書は不動産で15万円以下なら必要ない?
- 支払調書でバレることはない?気をつけるべきポイント
- 支払調書を出す理由は何?税務署の視点から解説
支払調書とは?不動産で使う理由と目的
支払調書とは、企業や個人事業主が、1年間に誰に対して、どのような支払いをしたかを税務署に報告するための法定調書の一つです。不動産取引においては、主に以下の3つの場面で使用されます。
- 不動産の使用料等の支払調書:土地や建物の賃料、権利金などを支払った場合
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書:不動産を購入した場合
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書:不動産会社に仲介手数料を支払った場合
これらの支払調書を税務署に提出することで、税務署は支払いを受けた側が正しく税金を申告しているかを確認できます。つまり、支払調書は、適正な課税を行うための重要な書類と言えるでしょう。
支払調書は何のため?を明確に理解しよう

不動産取引で支払調書が必要となる理由は、主に税務署が取引の透明性を確保し、適正な課税を行うためです。
例えば、不動産の賃貸借契約では、家賃や更新料などの支払いが発生します。これらの支払いを支払調書によって税務署に報告することで、税務署は家賃収入を得ている人が適切に税金を納めているかを確認できます。また、不動産の売買では、高額な取引が行われることが多いため、支払調書によって取引の透明性を確保し、脱税を防ぐことが期待されています。
このように、支払調書は不動産取引における税務上の透明性を高め、公平な課税を実現するために重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
支払調書がいらない場合ってどんな場合?

支払調書が不要となるのは、主に以下の3つのケースです。
- 支払金額が一定額以下の場合: 不動産の使用料等の支払調書の場合、同一人への年間支払額が15万円以下であれば提出不要です。ただし、不動産の売買に関する支払調書では、金額基準が異なるため注意が必要です。
- 支払先が法人の場合(賃料のみ): 不動産の貸主が法人の場合、支払ったものが賃料のみであれば、支払調書の提出は不要です。ただし、権利金や更新料など、賃料以外の支払いがある場合は、金額に応じて提出が必要となります。
- 不動産業者で特定の事業を営んでいる場合: 不動産業を営む個人でも、主に建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる場合は、支払調書の提出義務が免除されます。
これらのケースに該当する場合は、支払調書を作成・提出する必要はありません。(参考:国税庁HP)
支払調書は不動産で15万円以下なら必要ない?
不動産の使用料等に関する支払調書は、原則として、同一人への年間支払金額が15万円を超える場合に提出が必要です。しかし、15万円以下であれば不要というわけではありません。
例えば、支払先が個人の場合、家賃や地代など、支払いの名目に関わらず年間15万円を超えれば支払調書の提出義務が生じます。一方、支払先が法人の場合は、賃料のみの支払いは金額に関わらず提出不要です。ただし、権利金や更新料などの支払いが年間15万円を超える場合は、支払調書を提出する必要があります。
このように、不動産の種類や支払先によって、支払調書の要否は異なります。そのため、支払金額だけでなく、支払い内容や支払先も考慮して、支払調書が必要かどうかを判断することが大切です。
支払調書でバレることはない?気をつけるべきポイント

支払調書は、税務署が支払われたお金の流れを把握するための重要な書類です。したがって、支払調書の内容と実際の取引内容が異なっていれば、税務署に把握される可能性は高いでしょう。
特に注意すべきポイントは、以下の通りです。
- 支払金額: 支払調書に記載された金額と、実際の支払金額が一致しているか
- 支払先: 支払調書に記載された支払先の情報(氏名、住所など)が正しいか
- 支払内容: 支払調書に記載された支払内容(家賃、仲介手数料など)が実際の取引内容と一致しているか
これらの情報に誤りがあると、税務署から問い合わせを受けたり、税務調査の対象となる可能性があります。そのため、支払調書を作成する際は、正確な情報を記載するように心がけましょう。
支払調書を出す理由は何?税務署の視点から解説
税務署が支払調書の提出を求める理由は、納税者が正しく税金を申告しているかどうかを確認するためです。
具体的には、以下の目的があります。
- 所得の把握: 支払調書によって、税務署は誰が、どのような所得を得ているのかを把握できます。
- 申告内容の確認: 納税者が確定申告などで申告した所得額と、支払調書に記載された金額を照らし合わせることで、申告内容の正確性を確認できます。
- 脱税の防止: 支払調書によって、収入を隠したり、過少申告するといった脱税行為を防止できます。
つまり、支払調書は、税務署が適正な課税を行うための重要なツールと言えるでしょう。
支払調書とは?不動産での実務対応

- 調書の書き方と記載内容
- 不動産の使用料等の支払調書:エクセルでの作成方法
- webでの手続き方法
- フォーマットと活用方法
- 不動産 支払調書 法人と個人で異なる提出範囲
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書の対象と提出基準
- 不動産の使用料等の支払調書合計表の意味と提出の流れ
- 不動産支払調書を出さないとどうなる?ペナルティとリスク
- 不動産取引における支払調書とは何か:重要性と実務知識
調書の書き方と記載内容
不動産の使用料等の支払調書は、不動産の使用料等を支払った人が、支払先の情報や支払金額などを税務署に報告するための書類です。
記載内容
- 支払を受ける者: 支払先の氏名や住所、マイナンバーまたは法人番号を記載します。
- 区分: 地代、家賃、権利金など、支払いの種類を記載します。
- 物件の所在地: 支払い対象となる不動産の所在地を記載します。
- 細目: 土地の地目や建物の構造など、不動産の詳細情報を記載します。
- 計算の基礎: 賃借期間や賃借料など、支払金額の計算根拠を記載します。
- 支払金額: 年間の支払金額を記載します。
- 摘要: 必要に応じて、契約期間や特記事項などを記載します。
- 支払者: 支払者の氏名や住所、マイナンバーまたは法人番号を記載します。
これらの情報を正確に記載することで、税務署は不動産取引の透明性を確保し、適正な課税を行うことができます。
不動産の使用料等の支払調書:エクセルでの作成方法

不動産の使用料等の支払調書は、国税庁のウェブサイトで提供されているPDFファイルを印刷して手書きで作成する方法と、エクセルなどのソフトウェアを使用して作成する方法があります。
エクセルで作成する場合は、以下の手順で進めます。
- テンプレートの準備: 国税庁のウェブサイトや、インターネット上で提供されているテンプレートをダウンロードします。
- 必要事項の入力: テンプレートに、支払先や物件の情報、支払金額などを入力します。
- 計算式の確認: 支払金額の計算式が正しく設定されているか確認します。
- 印刷・保存: 必要に応じて印刷し、電子データとして保存します。
エクセルを使用すると、計算や修正が容易になるため、効率的に支払調書を作成できます。
webでの手続き方法
不動産の使用料等の支払調書は、国税庁のウェブサイトからPDF形式でダウンロードできます。具体的な手順は以下の通りです。
- 国税庁のウェブサイトへアクセス: まず、国税庁の公式ウェブサイトを開きます。
- 「法定調書」で検索: サイト内の検索窓に「法定調書」と入力し、関連情報を探します。
- 「不動産の使用料等の支払調書」を選択: 法定調書の一覧から、該当する支払調書を選択します。
- PDFファイルをダウンロード: 支払調書のPDFファイルが表示されるので、ダウンロードして保存します。
- 印刷・記入: ダウンロードしたファイルを印刷し、必要事項を手書きで記入します。
ダウンロードした支払調書は、必要に応じて複数枚印刷し、使用できます。また、国税庁のウェブサイトでは、支払調書の記入例や手引きも提供されているため、合わせて参考にすると良いでしょう。
フォーマットと活用方法

不動産の使用料等の支払調書のフォーマットは、国税庁が定めた統一様式です。このフォーマットは、不動産の使用料等の支払いに関する情報を、税務署が適切に把握するために必要な項目が含まれています。
フォーマットの項目
- 支払を受ける者
- 区分
- 物件の所在地
- 細目
- 計算の基礎
- 支払金額
- 摘要
- 支払者
活用方法
- 正確な情報記入: フォーマットに従い、支払先や物件の情報、支払金額などを正確に記入します。
- 記録・保管: 作成した支払調書は、控えを保管しておきましょう。
- 提出: 作成した支払調書は、支払いのあった年の翌年1月31日までに税務署へ提出します。
- エクセルなどでの作成: 支払調書は、エクセルなどの表計算ソフトで作成することも可能です。国税庁のサイトには手書き用のPDFファイルだけでなく、書き込み用のPDFファイルやエクセルなどのファイルが置いてある場合もありますのでご確認ください。
このフォーマットを活用することで、不動産の使用料等に関する支払情報を適切に管理し、税務署への報告をスムーズに行うことができます。
不動産 支払調書 法人と個人で異なる提出範囲

不動産の支払調書は、支払先が法人か個人かによって提出範囲が異なります。
個人に支払う場合、地代や家賃など、不動産の使用料として支払った金額が年間15万円を超える場合に提出が必要です。一方、法人に支払う場合、賃料の支払いは提出対象外です。ただし、権利金や更新料など、賃料以外の支払いについては、年間15万円を超える場合に提出が必要となります。
つまり、個人への支払いは幅広く、法人への支払いは限定的に支払調書の提出が求められると言えるでしょう。
不動産等の譲受けの対価の支払調書の対象と提出基準
不動産等の譲受けの対価の支払調書は、不動産の購入や交換など、譲り受けた対価を支払った場合に提出が必要な書類です。
対象となるのは、土地や建物だけでなく、借地権や船舶、航空機なども含まれます。提出基準は、同一の者に対して年間100万円を超える支払いがあった場合です。例えば、120万円で中古マンションを購入した場合、不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出する必要があります。
また、譲り受けには売買だけでなく、交換、競売、公売、収用、現物出資なども含まれるため、これらの取引を行った場合も提出の要否を確認するようにしましょう。
不動産の使用料等の支払調書合計表の意味と提出の流れ

不動産の使用料等の支払調書合計表は、その年に提出する不動産の使用料等の支払調書の枚数や支払金額の合計などを記載した書類です。この合計表は、支払調書と合わせて税務署に提出する必要があります。
提出の流れ
- 支払調書の作成: 支払先ごとに不動産の使用料等の支払調書を作成します。
- 合計表の作成: 作成した支払調書の内容を基に、合計表を作成します。
- 税務署への提出: 作成した支払調書と合計表を、支払いのあった年の翌年1月31日までに税務署へ提出します。
- e-taxでの提出も可能です。
合計表を提出することで、税務署は提出された支払調書全体の情報を把握しやすくなります。
不動産支払調書を出さないとどうなる?ペナルティとリスク
不動産支払調書を期限内に提出しない、または虚偽の内容で提出した場合、所得税法により罰則が科せられる可能性があります。具体的には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることがあります。
ただし、期限後であっても自主的に提出すれば、罰則が軽減される場合があります。しかし、税務署から指摘を受けてから提出すると、悪質なケースでは重いペナルティが科せられることもあります。
また、支払調書を提出しないことで、税務署から税務調査の対象となるリスクも高まります。税務調査では、過去の取引記録や帳簿書類の提出を求められ、不備があれば追徴課税や加算税が課せられることがあります。
これらのリスクを避けるためにも、不動産支払調書は期限内に正確な内容で提出することが重要です。
不動産取引における支払調書とは何か:重要性と実務知識
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「支払調書って不動産取引で何のために必要なの?いつ提出すべきか、書き方もよくわからなくて困っています。」
支払調書の提出を怠ると、税務調査や最大50万円の罰金のリスクがあります。特に不動産取引では使用料・譲受け対価・あっせん手数料の3種類があり、それぞれ提出基準が異なるため、正しい知識が必要です。
安心して不動産を所有するためには、税務面での適切な対応が欠かせません。
特に支払調書の正確な提出は、将来の税務リスクを回避する重要なポイントです。しかし、不動産の価値を長期的に保つことも同様に大切です。
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