近年、大規模地震への不安から、住まい選びで「免震マンション」に注目が集まっています。
特に震度7クラスの激しい揺れに対して、免震構造はどれほどの効果を発揮するのか気になる方も多いのではないでしょうか。免震マンションは本当に揺れにくいのか、中古物件でも安全なのか、耐震構造との違いは何かなど、疑問は尽きません。
「震度7の大地震が来たとき、マンションは本当に倒壊しないのでしょうか?新耐震基準は信頼できますか?」
「免震構造と耐震構造、どちらを選ぶべきか迷っています。免震のデメリットや縦揺れへの対応も気になります」
このような不安や悩みを抱える方は少なくありません。地震大国日本において、住まいの安全性は生命を左右する重大な問題です。特に高層マンションでは、地震で潰れやすい階があるのか、築年数による危険性はどうなのかなど、具体的な懸念点も多いでしょう。
この記事では、免震マンションが震度7の地震にどこまで耐えられるのか、免震構造がいつから導入されたのか、中古物件の調べ方など、皆さんの疑問に答えていきます。免震構造のデメリットから縦揺れへの影響、マンションが耐えられる震度の限界まで、専門的な知識をわかりやすく解説します。
安心して住める住まい選びのための正しい知識を身につけて、地震への備えを万全にしましょう。

目次
免震マンションは震度7に耐えられるのか?

- 震度7でマンションは倒壊するのか?
- 免震構造は震度いくつまで耐えられるのか?
- 免震マンションと耐震マンション、どちらが安全?
- 免震マンションのデメリットとは?
- 縦揺れはどの程度影響するのか?
- 本当に揺れにくいのか?
震度7でマンションは倒壊するのか?
結論から述べると、1981年6月以降に建築確認を受けた新耐震基準のマンションは、震度7程度の地震で倒壊する可能性は低いと言えます。その理由は、建築基準法において、新耐震基準の建物は震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊しないことが定められているからです。ただし、これはあくまで基準であり、地盤や建物の形状によっては倒壊するリスクもゼロではありません。
例えば、1995年の阪神淡路大震災では、旧耐震基準の建物に倒壊が多く見られましたが、新耐震基準の建物は被害が大幅に少なかったとされています。しかし、同じ新耐震基準の建物であっても、地盤が軟弱な場所や、複雑な形状の建物は、地震の揺れによる影響を受けやすい場合があります。(参考:国土交通省HP)
そのため、マンションを選ぶ際には、建築年だけでなく、地盤や建物の構造についても確認することが重要です。
免震構造は震度いくつまで耐えられるのか?

免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置することで、地震の揺れを建物に伝えにくくする構造です。そのため、免震構造の建物は、震度7クラスの地震に対しても、建物内部の揺れを大幅に低減することができます。
例えば、過去の地震では、免震構造の建物は、震度7の揺れを震度3~4程度にまで低減した事例も報告されています。これにより、家具の転倒や落下などの被害を大幅に減らすことができ、建物の損傷も最小限に抑えられます。
ただし、免震装置は万能ではありません。免震装置の性能には限界があり、地震の揺れ方によっては、建物が大きく揺れる可能性もあります。また、免震装置は定期的なメンテナンスが必要であり、費用も高額になる場合があります。
したがって、免震構造のマンションを選ぶ際には、免震装置の種類や性能、メンテナンス体制などをしっかりと確認することが大切です。
免震マンションと耐震マンション、どちらが安全?
免震マンションと耐震マンションを比較した場合、一般的には免震マンションの方が安全性が高いと考えられています。その理由は、免震構造が地震のエネルギーを建物に直接伝えない仕組みであるため、建物自体の揺れを大幅に軽減できるからです。
具体的には、免震マンションでは建物と地盤の間に免震装置が設置されており、地震発生時に建物がゆっくりと揺れることで、建物内部の揺れを最小限に抑えます。これにより、家具の転倒や落下、建物の損傷リスクを大幅に低減することが可能です。
一方、耐震マンションは建物自体を強化することで地震の揺れに耐える構造です。そのため、免震構造に比べると建物内部の揺れが大きくなる傾向があります。しかし、新耐震基準を満たした建物であれば、震度6強から7程度の地震でも倒壊しない強度は確保されています。
したがって、どちらが安全かは一概には言えません。免震マンションは地震の揺れを軽減する効果が高いですが、建築コストやメンテナンス費用が高くなる傾向があります。一方、耐震マンションは一般的な構造であり、コストを抑えられますが、地震の揺れに対しては免震構造に劣る場合があります。
免震マンションのデメリットとは?

免震マンションには、地震の揺れを大幅に軽減できるという大きなメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
- まず、建築コストが高くなる点が挙げられます。免震装置の設置や特殊な構造設計が必要となるため、一般的な耐震マンションに比べて建設費用が割高になります。また、免震装置は定期的なメンテナンスが必要であり、その費用も考慮する必要があります。
- 次に、免震装置の設置スペースが必要となるため、敷地に一定の広さが必要になる場合があります。特に、低層の建物では免震効果を得るために、より広いスペースが必要となることがあります。
- さらに、免震構造は地盤の状態によって適用できない場合があります。軟弱地盤や傾斜地などでは、追加の地盤改良工事が必要となることがあります。
- 加えて、免震構造の建物は、地震時に建物全体がゆっくりと揺れるため、乗り物酔いに似た感覚を覚える人もいるようです。特に、高層階では揺れが大きくなるため、注意が必要です。
これらのデメリットを考慮した上で、免震マンションを検討する必要があります。
縦揺れはどの程度影響するのか?

免震マンションは、地震の水平方向の揺れを大幅に低減する効果がありますが、縦揺れに関しては、その影響を完全に抑えることは難しいのが現状です。免震装置は、主に水平方向のエネルギーを吸収するように設計されているため、垂直方向の動きには対応しきれない場合があります。
ただし、縦揺れによる影響は、免震マンションであっても、建物全体の構造や地盤の状況によって大きく異なります。一般的には、直下型地震のように、急激な縦揺れが発生する場合には、免震構造であっても、ある程度の揺れを感じることがあります。
しかし、縦揺れによる被害は、横揺れに比べると、家具の転倒や建物の損傷といった点で、一般的には小さいと考えられています。免震マンションは、縦揺れの影響を完全に無くすことはできませんが、地震全体のエネルギーを吸収することで、建物へのダメージを最小限に抑えることを目的としています。
本当に揺れにくいのか?
免震マンションは、適切な設計と施工がされていれば、耐震マンションと比較して、地震時の揺れを大幅に低減することができます。免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置することで、地震のエネルギーを建物に直接伝えない仕組みを採用しています。
これにより、建物はゆっくりと揺れるため、内部にいる人は、地震の揺れをほとんど感じないか、感じたとしても非常に小さな揺れで済むことが多いです。過去の地震においても、免震マンションでは、家具の転倒や落下といった被害がほとんど報告されていません。
しかし、「本当に」揺れにくいかどうかは、地震の規模や種類、免震装置の性能、建物の構造など、様々な要因によって左右されます。どのような免震装置が設置されているのか、定期的なメンテナンスは実施されているのかなど、安全性を確認することが重要です。
免震マンションを選ぶ際には、免震装置の種類や性能、メンテナンス体制などをしっかりと確認し、信頼できるマンションを選ぶようにしましょう。
免震マンション震度7への対策と選び方

- 免震構造はいつから導入されたのか?
- 免震の確認方法と調べ方
- 中古の免震マンションは安全か?
- 地震で潰れやすいマンションの階数は?
- 地震に強いマンションの選び方:戸建の検討も重要
- 免震マンションは震度7に耐えられる?
免震構造はいつから導入されたのか?
免震マンションの構造が導入され始めたのは、1980年代に入ってからです。免震の技術自体は、1970年代から研究されていましたが、実際にマンションなどの建築物に適用されるようになったのは、1980年代に入ってからのことです。
1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、免震構造の有効性が広く認識されるようになりました。その後、技術開発が進み、2000年代以降には高層マンションにも免震構造が採用されるケースが増えてきています。
ただし、免震マンションは、一般的な耐震マンションに比べて建築コストが高くなるため、普及率はまだ高くはありません。しかし、近年では地震に対する安全意識の高まりから、免震マンションへの注目度も高まっています。
免震の確認方法と調べ方

免震マンションかどうかを確認するには、いくつかの方法があります。
1. 不動産広告や物件情報サイトを確認する
不動産広告や物件情報サイトには、物件の構造に関する情報が記載されています。「免震構造」と明記されていれば、免震マンションであると判断できます。
2. マンションのパンフレットや設計図書を確認する
マンションのパンフレットや設計図書には、建物の構造に関する詳細な情報が記載されています。免震装置の種類や設置場所などが記載されていれば、免震マンションであると判断できます。
3. 不動産会社や建築会社に問い合わせる
不動産会社や建築会社に直接問い合わせることで、マンションの構造に関する情報を確認できます。
4. 専門家による建物診断を受ける
専門家による建物診断を受けることで、マンションの構造や耐震性能を詳しく調べることができます。
これらの方法を組み合わせることで、免震マンションかどうかを正確に判断することができます。
中古の免震マンションは安全か?

中古の免震マンションが安全かどうかは、いくつかの要因によって異なります。まず、建物の建築年が重要です。1981年6月以降の新耐震基準で建てられたマンションであれば、震度6強から7程度の地震でも倒壊しない強度が期待できます。
次に、免震装置のメンテナンス状況を確認する必要があります。免震装置は定期的な点検とメンテナンスが必要なため、過去のメンテナンス履歴や修繕計画を確認することが重要です。適切なメンテナンスが行われていれば、中古であっても免震性能を維持している可能性が高いです。
また、建物の地盤も考慮する必要があります。免震構造であっても、軟弱地盤や液状化のリスクがある場所では、地震時の揺れが増幅される可能性があります。地盤調査の結果や過去の地震による被害状況を確認することをおすすめします。
これらの要素を総合的に判断することで、中古の免震マンションが安全かどうかを評価することができます。
地震で潰れやすいマンションの階数は?
地震で潰れやすいマンションの階数について、一概に何階とは言えません。しかし、いくつかの傾向が存在します。
低層階のマンションは、地盤の影響を受けやすく、液状化現象が発生した場合には、建物全体が傾いたり沈んだりする可能性があります。また、1階部分が駐車場や店舗などになっているピロティ構造のマンションは、柱が少ないため、地震の揺れに対して弱い場合があります。
一方、高層階のマンションは、地震の揺れが大きくなる傾向があります。特に、長周期地震動が発生した場合には、高層階が大きく揺れ、家具の転倒や落下などの被害が発生しやすくなります。
ただし、これらの傾向はあくまで一般的なものであり、建物の構造や地盤の状況によって大きく異なります。新耐震基準を満たした建物であれば、どの階数であっても、一定の耐震性能が確保されていると言えます。
震度7の地震でも倒壊しないマンション基準とは?
震度7の地震でも倒壊しないマンションの基準として、最も重要なのは建築基準法における「新耐震基準」を満たしていることです。この基準は、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用され、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊しないことが求められます。
具体的には、建物の構造体(柱、梁、壁など)の強度や配置、地盤との接合方法などが細かく規定されています。これらの基準を満たすためには、適切な構造計算や設計、施工管理が不可欠です。
また、新耐震基準を満たしていることに加えて、建物の形状や地盤の状況も重要な要素となります。一般的に、正方形や長方形に近い形状の建物は、複雑な形状の建物よりも地震に強いとされています。さらに、地盤が硬く安定している場所では、地震の揺れが建物に伝わりにくいため、より安全性が高まります。
これらの基準を満たすマンションを選ぶことで、震度7の地震に対しても、より安心して生活を送ることができます。
地震に強いマンションの選び方:戸建の検討も重要

地震に強いマンションを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることが重要です。まず、建物の構造を確認しましょう。1981年6月以降に建築確認を受けた新耐震基準のマンションであることは必須条件です。
次に、建物の形状や地盤の状況も確認しましょう。正方形や長方形に近い形状の建物や、地盤が硬く安定している場所にあるマンションは、地震に強い傾向があります。また、免震構造や制震構造を採用しているマンションは、地震の揺れを軽減する効果が期待できます。
さらに、マンションの管理体制も重要な要素です。定期的な点検やメンテナンスが行われているか、修繕計画が適切に立てられているかなどを確認しましょう。
マンションを選ぶ際には、戸建住宅も検討することをおすすめします。戸建住宅は、一般的にマンションよりも地盤に直接建っているため、地盤の状況が建物の安全性に大きく影響します。そのため、戸建住宅を選ぶ際には、地盤調査の結果や過去の地震による被害状況などをしっかりと確認することが重要です。
このように、マンションと戸建住宅のどちらを選ぶ場合でも、地震に対する安全性を十分に考慮することが大切です。
免震マンションは震度7に耐えられる?
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「大きな地震が来ても安全な住まいって本当にあるの?マンションと戸建て、どちらが良いのか迷っています」
免震マンションが一つの選択肢ですが、高コストやメンテナンス、縦揺れへの対応など課題もあります。本当に安心できる住まいをお探しなら、両方のメリットを検討する必要があります。
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