「庭を美しい緑のカーペットにしたいけれど、そもそもホームセンターの芝生販売時期はいつなんだろう?」
そんな最初の疑問で、足が止まってしまっていませんか。美しい芝生の庭に憧れを抱きつつも、いつ、どこで、どのような芝生を選べば良いのか、具体的な一歩が踏み出せずにいる方は少なくありません。
特に、カインズでの芝生販売時期や、品揃え豊富なコメリでの芝生販売時期、あるいは大規模店舗のジョイフル本田での芝生販売時期など、具体的な店舗の情報は計画を立てる上で欠かせない要素です。この記事では、園芸のプロの視点から、ホームセンターで芝を販売している時期はもちろんのこと、科学的な根拠に基づいた芝を買うのに最適な時期について、深く掘り下げて詳しく解説します。
さらに、カインズでの芝生値段の相場や、計画的な購入に役立つコメリでの芝生予約方法、ホームセンターで扱っている芝生の種類ごとの詳細な特徴、そして繊細な美しさで人気の姫高麗芝の販売時期についても網羅的にご紹介します。
- 芝生の植え付けに最適な「2大シーズン」とその科学的根拠
- カインズ・コメリなど主要店舗ごとの販売戦略と価格帯
- プロが実践する、購入時に鮮度の良い芝生を見分ける5つのチェックリスト
- あなたの庭に最適な芝生が見つかる、代表的な4品種の徹底比較
目次
ホームセンター芝生販売時期の全体像

- ホームセンターで芝を販売している時期
- 芝を買うのに最適な時期について
- ホームセンターで扱っている芝生の種類
- 姫高麗芝の販売時期について
- 芝の最盛期について
- ホームセンターでの芝生販売について
ホームセンターで芝を販売している時期
ホームセンターで天然芝が流通する主な時期は、年に2回、春と秋のシーズンに限定されます。これは、芝生が植物として持つ「生育サイクル」に深く関係しており、生産者から店舗、そして私たちの庭へと、最も健全な状態で届けられるよう計画されているためです。一年中いつでも手に入るわけではないからこそ、この2つのシーズンを正確に把握することが、芝生計画の成功の鍵を握ります。
春と秋に販売が集中する「科学的な理由」
なぜ販売時期が春と秋に集中するのでしょうか。その答えは、日本で主流となっている高麗芝などの「暖地型芝」の性質にあります。
豆知識:暖地型芝と寒地型芝
芝生は大きく分けて、夏の暑さで成長する「暖地型芝」(高麗芝、野芝など)と、涼しい気候を好み冬でも緑を保つ「寒地型芝」(西洋芝)があります。日本の多くの地域では、高温多湿な夏を越せる暖地型芝が一般的で、ホームセンターで販売されるのも、そのほとんどがこのタイプです。
暖地型芝は、気温が上昇する春から夏にかけて活発に成長し、冬になると地上部が枯れて休眠します。このサイクルの中で、芝生にとって植え付けのダメージ(ストレス)が最も少なく、その後の成長に繋がりやすいのが、休眠から目覚める「春」と、猛暑が過ぎて成長が穏やかになる「秋」なのです。いわば、人間が引っ越しや転職をする際に、心身ともに余裕のある時期を選ぶのに似ています。芝生にとっても、環境の変化に順応しやすい穏やかな気候の時期が選ばれているのです。
販売時期の具体的な目安
【春シーズン】: 3月下旬 ~ 6月上旬頃
九州などの温暖な地域では2月下旬から見かけることもありますが、全国的に本格化するのは3月下旬です。桜の開花とほぼ同じタイミングと捉えると良いでしょう。GW(ゴールデンウィーク)期間中は需要がピークに達し、それを過ぎると徐々に品薄になります。
【秋シーズン】: 9月上旬 ~ 10月下旬頃
夏の厳しい暑さが和らぎ、残暑が落ち着く9月頃から店頭に並び始めます。春に比べると販売期間が短い傾向があるため、注意が必要です。
※これらの期間はあくまで目安です。その年の天候(暖冬や冷夏など)や、お住まいの地域によって1~2週間前後することを念頭に置いておきましょう。
【経験談】よくある失敗事例と教訓
この販売時期を知らないと、思わぬ失敗につながることがあります。ここでは、初心者が陥りがちな失敗事例を共有します。
失敗事例①:真夏に「芝生が欲しい!」と思い立つ
「夏休みに庭をきれいにしよう」と7月や8月にホームセンターへ行っても、天然芝はほとんど販売されていません。これは、酷暑期に植え付けても、高温による根のダメージ(根焼け)や水分の急激な蒸発で、芝生が根付く前に枯れてしまうリスクが極めて高いためです。生産者も店舗も、この時期の植え付けを推奨していないため、流通がストップするのです。
教訓:芝生の計画は、夏が来る前(春)か、夏が終わった後(秋)に立てるのが鉄則です。
失敗事例②:「GW過ぎなら空いているだろう」と油断する
GWの混雑を避け、5月下旬や6月に入ってから店舗へ行くと、「芝生が売り切れ」または「明らかに弱っている苗しか残っていない」という状況に直面することがあります。春のシーズン終盤は、入荷から時間が経過し、店頭での管理下で乾燥や蒸れによるダメージを受けた芝生が多くなるため、選択肢が著しく狭まってしまいます。
教訓:特に春シーズンは、できるだけ早い時期(4月中)に購入するのが、良質な芝生を手に入れるための重要なポイントです。
このように、芝生の販売時期は単なる「お店の都合」ではなく、植物の生育サイクルに基づいた合理的な理由があります。このサイクルを理解し、最適なタイミングで行動することが、美しい芝生の庭への第一歩となるのです。一部の生産者直販のオンラインストアでは、受注後に切り出して発送するため通年購入が可能な場合もありますが、その場合でも植え付け作業は春か秋に行うのが最も安全で確実です。
芝を買うのに最適な時期について

ホームセンターに芝生が並ぶ時期が「春」と「秋」にあることはご理解いただけたかと思います。では、その中でも「どちらの季節が、より確実に、より美しく芝生を育てるのに適しているのか?」という問いに、明確にお答えします。結論は、圧倒的に「春」、特に3月下旬から5月中旬の間が芝生にとってのゴールデンタイムです。この時期の植え付けが、その後の芝生の運命を決めると言っても過言ではありません。
「春植え」が最強である3つの理由
なぜ春の植え付けがこれほどまでに推奨されるのか。それには植物の生理に基づいた、3つの明確な理由が存在します。
- 圧倒的な「活着率」と「成長スピード」
「活着(かっちゃく)」とは、植え付けられた植物の根が、新しい土壌環境に順応し、しっかりと根付くことを指す専門用語です。春は、冬の休眠から覚めた芝生の根が、地温の上昇とともに最も活発に活動を開始する時期。このタイミングで植え付けることで、芝生はストレスを最小限に抑え、驚くほどのスピードで新しい土地に根を伸ばし始めます。 - 「梅雨」という天然の灌水システム
5月下旬から6月にかけて訪れる梅雨は、春植えの芝生にとってまさに恵みの雨です。植え付け直後の約1ヶ月間は、根がまだ浅く、乾燥に非常に弱いデリケートな時期。この期間に毎日水やりをするのは大変な労力ですが、梅雨の安定した降雨がその負担を大幅に軽減してくれます。いわば、自動で最適な水やりを行ってくれる天然の灌水(かんすい)システムがあるようなものです。この水分を利用して、芝生は夏本番までに盤石な根のネットワークを地下に張り巡らせます。 - 先手必勝の「雑草対策」
夏の庭で最も厄介なのが、生命力旺盛な雑草たちです。春の早い段階で芝生を植え付け、梅雨を経て夏までに密なターフ(芝生のじゅうたん)を形成させることで、雑草の種が地面に落ちて発芽するための「光」と「スペース」を物理的に奪うことができます。夏になってから雑草と芝生が「よーいドン!」で競争するのではなく、芝生が先に陣地を確保することで、その後の雑草管理が格段に楽になるのです。
秋植えのメリットと、それ以上に大きいデメリット
もちろん、秋(9月~10月)の植え付けにもメリットはあります。夏の猛暑が過ぎ、涼しい環境で作業ができることや、春に比べて雑草の勢いが衰えている点は魅力です。しかし、春植えと比較した場合、それを上回る潜在的なリスク(デメリット)が存在することを理解しておく必要があります。
秋植えの最大の懸念点:冬前の「根張り期間」の短さ
秋植えの最大の課題は、冬の休眠期が来るまでに、芝生が十分に根を張るための時間が非常に短いという点です。特に植え付けが10月下旬以降にずれ込むと、地温がどんどん低下し、根の成長が鈍化します。根張りが不十分なまま冬に突入してしまうと、様々な問題を引き起こす原因となります。
- 霜柱による枯死リスク:寒冷地や冬の冷え込みが厳しい地域では、地面の水分が凍って「霜柱(しもばしら)」が発生します。この霜柱が、まだ浅くしか根付いていない芝生を土ごと持ち上げてしまい、根が寒風と乾燥にさらされて枯死してしまうのです。
- 翌春の芽吹きの遅れ・まばら化:なんとか冬を越せても、根が十分に張れていない芝生は体力がありません。結果として、翌春の芽吹きが健全な芝生に比べて大幅に遅れたり、部分的に枯れてしまい、まばらな状態からスタートすることになったりします。
これらの理由から、もし秋に植え付けを行う場合は、できるだけ早い時期(9月中)に作業を終え、冬の乾燥や霜柱対策として、通常よりも少し厚めに目土をかけるなどの保護策を講じることが重要になります。
春植え(3月~5月) | 秋植え(9月~10月) | |
---|---|---|
メリット | ・活着率が非常に高い ・梅雨の水分で成長が加速 ・夏の雑草を抑制しやすい ・夏には緑の庭が完成 |
・涼しい環境で作業できる ・雑草の勢いが弱い ・夏の水やり管理の負担がない |
デメリット | ・植え付け初期の雑草管理が必要 ・梅雨の長雨で病気になるリスクも(稀) |
・冬までの根張り期間が短い ・霜柱で枯れるリスクがある ・翌春の生育が遅れる可能性 ・緑の庭になるまで時間がかかる |
総合的に判断すると、芝張り初心者の方や、できるだけ失敗のリスクを減らして美しい芝生の庭を実現したい方は、春のシーズンを逃さずに計画を立てることを強くお勧めします。
ホーム-センターで扱っている芝生の種類

ホームセンターの園芸コーナーに足を運ぶと、一見同じように見える緑のマットが並んでいますが、実はそれぞれに個性豊かな特徴を持つ、異なる種類の芝生です。芝生選びは、庭のデザインや機能性を決める重要な選択。あなたの庭の「日当たりの良さ」「どのように使いたいか(観賞用か、遊び場か)」「どのくらい手入れに時間をかけられるか」という3つの視点から、最適なパートナーを見つけることが、後悔しない庭づくりの第一歩となります。
ここでは、ホームセンターで主に取り扱われている代表的な4つの品種について、その特徴を徹底的に深掘りしていきます。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
高麗芝(コウライシバ) | 日本で最もポピュラーな種類。葉はやや硬めで丈夫。 | ・日本の気候に強く育てやすい ・病害虫に強い ・価格が手頃 |
・冬は休眠して茶色くなる ・日陰にやや弱い |
姫高麗芝(ヒメコウライシバ) | 高麗芝より葉が細く、密度が高い。繊細で美しい景観を作る。 | ・きめ細かく美しいターフになる ・踏み心地が柔らかい |
・高麗芝より手入れが必要 ・価格が少し高め |
TM9(ティーエムナイン) | トヨタ自動車が開発した省管理型の高麗芝。草丈が短く、芝刈りの頻度を減らせる。 | ・芝刈りの回数が少ない ・葉の色が濃く美しい ・緻密な芝生を形成する |
・他の高麗芝より高価 ・取扱店が限られる場合がある |
野芝(ノシバ) | 葉が広く、丈夫で踏圧に強い。生育が旺盛。 | ・非常に丈夫で管理が楽 ・耐寒性・耐陰性に優れる |
・葉が粗く、景観の美しさは劣る ・主に公園や法面緑化で利用 |
【The Standard】高麗芝(コウライシバ) - 日本の庭の王道
「どの芝生にすれば良いか迷ったら、まず高麗芝を検討する」と言われるほど、日本の家庭で最も広く普及しているスタンダードな品種です。高温多湿な日本の夏を乗り越えるために適応してきた歴史を持ち、その育てやすさとコストパフォーマンスの高さから、多くのホームセンターで主力商品として扱われています。
葉はしっかりとしており、ある程度の硬さがあるため、人が歩いたり軽い遊びをしたりする場所にも適しています。この「踏圧(ふみあつ)への耐性」は、公園の広場やゴルフ場のフェアウェイ(ボールを打つメイン通路)など、公共の場で広く採用されている実績が物語っています。価格が手頃なため、広い面積に芝生を敷きたい場合にも経済的な負担が少ないのが大きな魅力です。ただし、それゆえに生産者も多く、苗の品質にばらつきが出やすい側面もあります。後述する「鮮度の良い芝生の見分け方」をしっかりと実践することが、高麗芝選びで成功するための重要なポイントになります。
こんな方におすすめ!
- 初めて芝生を育てる初心者の方
- コストを抑えて芝生の庭を始めたい方
- 日当たりが良い、標準的な環境の庭をお持ちの方
- 基本的な芝刈りなどのメンテナンスを楽しみながら行える方
【The Beauty】姫高麗芝(ヒメコウライシバ) - 繊細な美しさを追求するなら
姫高麗芝は、その名の通り、高麗芝よりも葉が細く、繊細で優雅な印象を与える品種です。最大の特徴は、葉と葉の間隔(節間)が短いため、非常に密度が高く、まるでビロードのような、きめ細かい美しいターフを形成すること。裸足で歩いた時の感触も柔らかく、観賞性を最優先するならば、最高の選択肢の一つとなるでしょう。
しかし、その美しさを維持するためには、高麗芝以上の丁寧な管理が求められます。葉が繊細な分、乾燥や病気に対する抵抗力は高麗芝にやや劣り、水やり管理には注意が必要です。また、姫高麗芝の美しさを最大限に引き出すには、刈り高を低く保ち、こまめに芝刈りを行うことが推奨されます。理想を言えば、成長期には週に1回程度の芝刈りを行うことで、密で美しい状態を維持できます。「手入れに時間をかけることを厭わず、最高の景観を求めたい」という、こだわり派向けの品種と言えます。
こんな方におすすめ!
- 庭の見た目、景観の美しさを最も重視する方
- 和風庭園や、玄関アプローチ脇などの観賞エリアに使用したい方
- こまめな芝刈りや水やりなど、丁寧なメンテナンスに時間をかけられる方
【The Innovator】TM9(ティーエムナイン) - 省管理型の次世代芝生
TM9は、なんとトヨタ自動車株式会社が開発した、高麗芝の改良品種です。「管理の手間を減らし、もっと手軽に芝生を楽しんでほしい」というコンセプトのもと開発され、その優れた特性から近年急速に人気が高まっています。
最大の特徴は、草丈が従来の高麗芝の半分以下にしか成長しないという点です。これにより、芝生の管理で最も労力がかかる「芝刈り」の頻度を、従来の3分の1から2分の1程度にまで劇的に減らすことができます。また、成長が緩やかな分、肥料を要求する量も少なく済み、結果として管理コスト全般を抑制できるのです。草丈は低いものの、節間が短いため密度は濃く、葉の色も鮮やかな濃緑色を保つため、景観の美しさも損ないません。初期費用は高麗芝に比べて高価ですが、芝刈りの時間や労力、刈りカスの処分費用といった長期的なランニングコストを考慮すると、「タイムパフォーマンス」に非常に優れた選択肢です。
こんな方におすすめ!
- 仕事や育児で忙しく、芝生管理の時間をあまり取れない方
- 美しい景観は欲しいが、メンテナンスはできるだけ楽にしたい方
- 長期的な視点で、管理の手間やコストを削減したい方
- 初期費用がある程度かかることを許容できる方
【The Toughness】野芝(ノシバ) - 手間いらずのワイルドな芝生
野芝は、日本の野山に自生している芝を品種改良したもので、日本芝の中で最も強健で丈夫な性質を誇ります。葉は高麗芝よりも広く、厚みがあり、地面を力強く這うように伸びる「匍匐茎(ほふくけい)」も太いため、踏圧に対する耐性は抜群です。
豆知識:匍匐茎(ほふくけい)
地面を這うように水平に伸びていく茎のこと。この匍匐茎の節々から新しい根や芽を出し、芝生は面積を広げていきます。匍匐茎が太く強い品種ほど、踏まれても傷みにくく、傷んでも回復が早い傾向があります。
その強健さから、公園や河川敷、道路の法面(のりめん)緑化など、厳しい環境下での利用実績が非常に豊富です。病害虫にも強く、乾燥や日陰にもある程度耐えるため、管理の手間はほとんどかかりません。ただし、家庭の庭で利用するには、葉の質感がややワイルドで「雑草っぽい」と感じられることも。観賞性よりも、「緑化」や「土の流出防止」といった機能性を重視する場合に適しています。「駐車場のタイヤが乗らない部分」や「子供が激しく遊ぶエリア」など、過酷な環境にポイント使いするのも賢い利用法です。
こんな方におすすめ!
- 管理の手間を最小限にしたい、とにかく丈夫さを求める方
- 子供やペットが走り回るなど、ハードな使われ方をする庭
- ナチュラルで野性的な、飾らない雰囲気が好きな方
- 機能性(土壌流出防止など)を重視する方
これらの特徴を比較し、ご自身のライフスタイルや庭の環境に最もマッチする芝生を選ぶことが、満足のいく庭づくりのための重要なステップです。
姫高麗芝の販売時期について

「どうせなら、一番美しい芝生にしたい」そうお考えの方が最終的に行き着く品種の一つが、この姫高麗芝(ヒメコウライシバ)です。その名の通り、高麗芝よりも葉が細く繊細で、適切に管理されたターフはまさに「緑のビロード」と呼ぶにふさわしい、息をのむほどの美しさを誇ります。この圧倒的な観賞性の高さから、庭づくりにこだわりを持つ層から絶大な人気を集めていますが、その人気と繊細な性質ゆえに、ホームセンターで入手できる期間は他の品種に比べて著しく短いという現実があります。計画的に動かなければ、その姿を見ることさえできずにシーズンが終わってしまう可能性もあるのです。
なぜ姫高麗芝の販売期間は短いのか?
姫高麗芝が店頭に並ぶのは、春の芝張りシーズンの中でも特に早く、一般的に3月中旬から4月下旬頃までがピークとなります。5月に入る頃には、多くの店舗で品薄、もしくは完売となっているケースが少なくありません。この「短期決戦」となる背景には、生産と需要の両面からの理由が存在します。
- 生産側の理由(品質のピークを見極めた出荷)
姫高麗芝は高麗芝に比べて性質がデリケートなため、生産者は苗が最高のコンディションにあるタイミング、つまり冬の休眠から完全に目覚め、成長エネルギーが最も満ち溢れている一瞬を見計らって出荷します。最高の品質を届けるため、あえて出荷期間を凝縮しているのです。 - 需要側の理由(愛好家による早期の争奪戦)
その美しさを知るガーデニング愛好家や、品質にこだわる造園業者は、シーズン開始と同時に「最高の状態の苗」を求めて一斉に購入に動きます。これにより需要が特定の時期に爆発的に集中し、結果として早期の品切れを引き起こしやすいのです。
つまり、姫高麗芝は「生産者が最高の状態として送り出す期間」と「愛好家がそれを求める期間」が短期間に集中するため、入手が難しくなっているのです。
【地域別】購入推奨タイミングと具体的なアクション
「では、具体的にいつ動けば良いのか?」その答えは、お住まいの地域の気候によって変わってきます。桜前線のように、芝生の販売も南から北へと移っていきます。
地域区分 | 推奨購入時期 | 行動開始の目安 |
---|---|---|
温暖地 (九州、四国、関東南部など) |
3月中旬~4月上旬 | ソメイヨシノの開花予報が出始める3月上旬には、最寄りのホームセンターに電話で入荷予定の確認を開始しましょう。 |
中間地 (関西、東海、北陸など) |
3月下旬~4月中旬 | お彼岸を過ぎた3月下旬が勝負のタイミングです。この時期の週末を逃さないようにしましょう。 |
寒冷地 (東北、甲信越など) |
4月上旬~4月下旬 | その地域で「遅霜(おそじも)」の心配がなくなる頃が目安です。4月に入ってから、店舗への確認を始めるのが効率的です。 |
豆知識:遅霜(おそじも)とは?
春になって暖かくなった後、一時的な寒の戻りによって降りる霜のこと。植物が活動を始めた後に霜に当たると、新芽や若い根が深刻なダメージを受けてしまうことがあります。芝生も例外ではなく、特に植え付け直後のデリケートな時期に遅霜に遭うと、活着が大きく遅れる原因になります。
入手し損ねないための「3つの鉄則」
希少な姫高麗芝を確実に手に入れるためには、情報戦を制する必要があります。以下の3つのアクションプランをぜひ実行してください。
- 鉄則①:3月になったら店舗へ「電話確認」
最も確実な方法は、3月上旬になったら、購入を検討しているホームセンターの園芸コーナーへ直接電話をかけることです。「今年の姫高麗芝の入荷予定はいつ頃ですか?」と尋ねれば、多くの店舗で親切に教えてくれます。可能であれば、入荷日と入荷量を把握し、入荷直後を狙って来店するのがベストです。 - 鉄則②:「取り寄せ・予約」サービスの活用
コメリのように、店舗によっては取り寄せや予約注文に対応してくれる場合があります。事前に相談すれば、入荷時に連絡をもらえたり、取り置きしてくれたりすることもあります。ダメ元でも一度相談してみる価値は十分にあります。 - 鉄則③:「生産者直販サイト」を併用検討
もしホームセンターでの入手が難しい場合は、視点を変えて生産者から直接購入するという選択肢も非常に有効です。鳥取県芝生産組合の「シバソダ」などのオンラインストアでは、受注後に畑から切り出したばかりの、この上なく新鮮な姫高麗芝を購入できます。送料はかかりますが、「最高の鮮度」と「入手できる確実性」は何物にも代えがたいメリットです。
よくある失敗談:「高麗芝と同じ感覚でいたら…」
「高麗芝がまだたくさんあったから、姫高麗芝も大丈夫だろう」と油断し、GW頃に店舗へ行ったら、値札の跡だけが寂しく残っていた、というケースは後を絶ちません。姫高麗芝は、高麗芝とは全く別のタイムスケジュールで動いていると認識し、「見つけたら、状態が良ければ即決する」くらいの心構えで臨むことが成功の秘訣です。
美しい芝生の庭を実現するためには、スタート地点である「苗の品質」が極めて重要です。特にデリケートな姫高麗芝だからこそ、万全の準備で最高の苗を手に入れましょう。
芝の最盛期について

芝生を植える時期や種類を選んだら、次に理解しておくべきなのは、植えた芝生が一年を通じてどのように成長していくのかという「ライフサイクル」です。特に、ホームセンターで販売されている高麗芝や姫高麗芝などの暖地型芝は、季節によってその表情を大きく変えます。その中でも、芝生が最も輝き、同時に私たちの管理を最も必要とするのが「最盛期」です。この期間の過ごし方が、一年を通じて美しい庭を維持できるかどうかを決定づけると言っても過言ではありません。
芝生の最盛期とは具体的にいつ?
暖地型芝の最盛期は、一言で言えば「夏」です。より具体的には、梅雨が明けて本格的な夏が到来する6月下旬から、残暑が和らぐ9月中旬頃までが、成長のピークにあたります。この時期、芝生は以下の3つのスイッチがONになることで、爆発的な成長を見せます。
- 光(日照時間)のスイッチ:夏至を挟むこの時期は、一年で最も日照時間が長く、芝生が光合成を最大限に行い、成長のためのエネルギーを大量に作り出します。
- 温度のスイッチ:暖地型芝の生育に適した温度は25℃~35℃とされています。日本の夏はまさにこの「ストライクゾーン」に合致しており、芝生の細胞分裂が最も活発になります。
- 水のスイッチ:春に植えられた芝生は、梅雨の間に地下深くまで根を伸ばしています。この根が、夏の夕立や日々の水やりから効率的に水分を吸収し、成長を加速させます。
春に植えた芝生が、最初はまばらで頼りなかったのに、夏を越したら見違えるように密な緑の絨毯になっていた、という経験は、この3つのスイッチが完璧に噛み合った結果なのです。
豆知識:芝生の「匍匐茎(ほふくけい)」の役割
最盛期の芝生は、上方向(葉)だけでなく、横方向(面積)にも活発に成長します。この横方向への成長を担うのが「匍匐茎(ほふくけい)」と呼ばれるランナー(走り茎)です。この匍匐茎が地面を這うように伸び、その節々から新しい根と芽を出して陣地を広げていきます。最盛期にこの匍匐茎の活動を促すことが、密で美しい芝生を作るための鍵となります。
最盛期に「絶対にすべき」3つの重要管理
芝生が最も成長するということは、裏を返せば「最も手入れを必要とする時期」であるということです。この時期の管理を怠ると、せっかくの芝生が病気になったり、雑草に負けてしまったりする原因になります。重要な管理は以下の3つです。
- 最重要管理①:芝刈り
最盛期の芝刈りは、単に「伸びたから切る」という作業ではありません。芝刈りには、①見た目を美しく保つ、②風通しを良くして病気を予防する、③横方向への成長(匍匐茎の伸長)を促し、密度を高める、という3つの重要な目的があります。理想的な頻度は、高麗芝であれば月に2~3回、TM9であれば月に1~2回程度です。刈り高を一定に保ち、「軸刈り(じくがり)」(※)にならないよう注意しながら、定期的に行うことが重要です。※注意:軸刈りとは?
芝生を一度に短く刈りすぎてしまい、緑の葉の部分がなくなり、茶色い茎の部分だけが残ってしまう状態のこと。芝生に深刻なダメージを与え、見た目が悪くなるだけでなく、最悪の場合そのまま枯れてしまうこともあります。一度に刈る長さは、葉の全長の3分の1までが限界とされています。
- 最重要管理②:水やり
夏の強烈な日差しは、芝生から大量の水分を奪います。特に梅雨明け後の晴天が続く時期は、乾燥に注意が必要です。水やりの基本は「やる時はたっぷりと、土の深くまで浸透させる」こと。表面だけを濡らすような中途半半端な水やりは、根が地表近くにしか張らない「浅い根」を助長し、かえって乾燥に弱い芝生にしてしまいます。朝の涼しい時間帯に、土の深さ10cm程度まで水が届くイメージで、たっぷりと与えましょう。 - 最重要管理③:雑草対策
夏は芝生だけでなく、雑草にとっても最盛期です。特に、メヒシバやカタバミといった繁殖力の強い雑草は、放置するとあっという間に芝生の領域を侵食してしまいます。基本は「見つけ次第、手で抜き取る」こと。小さいうちに抜き取るのが最も効果的です。広範囲に広がってしまった場合は、芝生を枯らさずに雑草だけを枯らす「芝生用」の除草剤を使用することも有効な手段です。
【経験談】最盛期の管理を怠った庭の末路
「夏は暑いし、少しくらい大丈夫だろう…」そんな油断が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。例えば、夏休みの旅行で2週間ほど家を空け、帰ってきたら庭がジャングルのようになっていた、という話は珍しくありません。伸び放題になった芝生は軸刈りをせざるを得なくなり、そこから病気が発生。さらに、その隙間を狙って雑草が勢力を拡大し、美しいはずだった緑の絨毯は、見るも無残なまだら模様になってしまうのです。
最盛期は、芝生が私たちに「今が一番成長する時だよ!」とサインを送ってくれている時期です。その声に応え、適切な手入れという愛情を注いであげることが、一年を通じて美しい芝生の庭を維持するための、何よりの秘訣なのです。
ホームセンターでの芝生販売について

最適な時期と好みの品種が決まったら、次はいよいよ購入のフェーズです。ここでは、ホームセンターで芝生を「どのように」購入し、自宅まで無事に持ち帰るかという、実践的なプロセスと注意点に焦点を当てて解説します。DIYでの芝張り作業を成功させるためには、この購入時の段取りが想像以上に重要になります。重い芝生を安全に運び、その鮮度を落とさずに庭まで届けるためのノウハウを、ステップバイステップで見ていきましょう。
販売されている芝生の形態:「切芝(マット芝)」とは?
まず、ホームセンターで販売されている天然芝がどのようなものかを理解しておく必要があります。一般的に流通しているのは「切芝(きりしば)」または「マット芝」と呼ばれる形態です。
これは、専門の生産農家が広大な畑(芝畑)で育て上げた芝生を、専用の「ライアンカッター」という機械で、根が付いた土の層ごと薄くスライスしたものです。まるでロールケーキの生地を切り分けるようなイメージです。根がある程度付いた状態で移植できるため、種から育てるのに比べて、はるかに早く、そして確実に美しい芝生の庭を完成させられるのが最大のメリットです。
この切芝は、通常1枚あたり約30cm × 37.5cm程度の長方形にカットされ、それが9枚~10枚重ねられて1つの「束」として販売されています。この1束で、ちょうど1平方メートル(㎡)の面積をカバーできるように規格化されているのが一般的です。一人でも持ち運びやすく、庭の形に合わせてカットもしやすい、DIYに最適なサイズと言えるでしょう。
購入から運搬までの具体的な4ステップ
それでは、実際に芝生を購入する際の流れと、各ステップでの注意点を解説します。
ステップ1:【最重要】必要量の計算と「プラス1割」の法則
芝張りで最もよくある失敗の一つが、「芝生が数枚足りなくなってしまった」という事態です。シーズン終盤では追加購入が難しく、作業が頓挫してしまうことさえあります。これを防ぐため、必要量は必ず「少し多めに」購入するのが鉄則です。
【計算式】: 芝生を張りたい面積 (㎡) × 1.1 = 購入すべき束数 (小数点以下は切り上げ)
なぜ1割多く買う必要があるのか。それには2つの明確な理由があります。
- 理由①(ロス率の考慮):庭の形は真四角とは限りません。曲線部分や障害物に合わせて芝生をカットする際に、必ず使えない端材(ロス)が発生します。このロス分として、あらかじめ余裕を見ておく必要があります。
- 理由②(補修用の予備苗確保):購入した芝生のうち数枚を、庭の隅などの空いたスペースで育てておく(これを「ストック芝」と呼びます)ことを強くお勧めします。植え付け後に一部がうまく根付かなかったり、病気で剥げてしまったりした際に、同じ環境で育ったストック芝を移植すれば、まるでパッチワークのように自然な補修が可能になります。
ステップ2:店舗での積み込み - 重さと汚れを侮らない
無事に必要量を確保したら、次は店舗での積み込みです。ここで注意すべきは、芝生の「重さ」と「汚れ」です。
切芝1束(1㎡)の重さは、乾燥具合にもよりますが約10kg~20kgにもなります。店舗で散水された直後の芝生はずっしりと重く、10束(10㎡分)購入すれば、その総重量は100kgを超えることも珍しくありません。成人男性の体重を優に超える重量物を運ぶという認識を持ち、無理のないようにカートを使い、車に積み込む際も腰を痛めないよう十分に注意してください。服装は、土で汚れることを前提に、長袖・長ズボン、滑りにくい靴、そして手を保護する軍手の着用を推奨します。
ステップ3:車での運搬 - 徹底した「養生」が後片付けを楽にする
芝生の束をそのまま車のトランクや後部座席に乗せると、土や草がこぼれ、後々の掃除が非常に大変になります。事前の「養生(ようじょう)」を徹底しましょう。
- 必須アイテム:厚手の大きなビニールシート(レジャーシートでも可)
- あると便利な物:大型のコンテナボックス、段ボール
トランクやラゲッジスペースにビニールシートを敷き、その上に芝生を積んでいきます。シートは側面まで覆えるくらい大きいものを選ぶのがポイントです。大量に購入する場合は、多くのホームセンターが提供している無料または有料の「軽トラック貸し出しサービス」を利用するのが最も賢明です。利用条件(貸出時間、要普通免許証など)を事前に確認しておきましょう。
ステップ4:購入後の「一時保管」 - 鮮度を保つための最重要工程
購入した芝生は、スーパーで買ってきた生野菜と同じ「生鮮品」です。購入後の取り扱い方が、その後の活着率を大きく左右します。
絶対にやってはいけないNG保管方法
- 車内での長時間放置:夏の車内は高温になり、芝生が短時間で蒸れて深刻なダメージを受けます。
- 直射日光下での放置:強い日差しは芝生を乾燥させ、急激に弱らせる原因になります。
- ビニールシートで包んだままの放置:通気性が悪くなり、これもまた蒸れの原因となります。
天候の都合などで、購入したその日に作業ができない場合は、以下の正しい方法で一時保管を行ってください。
- 束をほどき、コンクリートの上などを避け、土の上に一枚一枚広げます。
- 保管場所は「直射日光が当たらない、風通しの良い日陰」を選びます。
- 土の表面が乾かないように、霧吹きやシャワーで軽く湿らせておきます。
このひと手間をかけるだけで、芝生の鮮度は格段に保たれます。芝生の購入は、単に商品を買う行為ではなく、「重量物を安全に運び、生きた植物を適切に管理する」までが含まれると心得て、万全の準備で臨みましょう。
各ホームセンター芝生販売時期と選び方

- カインズでの芝生販売時期と値段
- コメリでの芝生販売時期と予約方法
- ジョイフル本田での芝生販売時期
- ホームセンターで芝生が枯れている場合
- 総括:ホームセンター芝生販売時期
カインズでの芝生販売時期と値段
オリジナルブランドの展開による高いコストパフォーマンスと、DIY愛好家の心をくすぐる豊富な品揃えで人気の「カインズ」。芝生の購入においても、特に「コストを抑えて、質の良いスタンダードな芝生を手に入れたい」と考える層にとって、非常に有力な選択肢となります。ここでは、カインズにおける芝生の販売時期の傾向と、気になる価格帯について詳しく解説します。
販売時期の傾向 - 店舗の規模とチラシをチェック
カインズにおける天然芝の販売時期も、基本に忠実に春(3月下旬~5月頃)と秋(9月~10月頃)の2シーズンが中心となります。ただし、全国に多数の店舗を展開するカインズならではの特徴として、店舗の規模や立地によって入荷のタイミングや量に差が出やすい点が挙げられます。
特に、大型の資材館が併設されている郊外型の店舗では、プロの造園業者などの需要も見込んでいるため、入荷時期が比較的早く、在庫量も豊富な傾向があります。一方で、都市部の小規模な店舗では、取り扱いが少なかったり、販売期間が短かったりする場合もあります。
では、最寄りのカインズでの販売開始をどのように察知すれば良いのでしょうか。そのヒントは「芝生以外の園芸商品」に隠されています。
カインズでの販売開始を見極める2つのサイン
- サイン①:春・秋の「園芸カタログ」や「デジタルチラシ」の発行
カインズがウェブサイトやアプリで公開する「デジタルチラシ」は、情報の宝庫です。園芸特集が組まれ、芝生の関連商品である培養土や肥料が掲載され始めたら、天然芝本体の入荷も間近であるサインと捉えて良いでしょう。 - サイン②:野菜苗や草花の大量陳列
店舗の入り口付近や園芸コーナーに、トマトやキュウリといった夏野菜の苗や、季節の草花が大量に並び始めたら、本格的な園芸シーズンの到来を意味します。芝生もこれと連動して入荷されるケースが非常に多いです。
これらのサインを見逃さず、3月に入ったらこまめに情報をチェックすることが、スタートダッシュに成功する秘訣です。
値段の目安とコストパフォーマンス
カインズの最大の魅力は、やはりその価格設定にあります。芝生の種類や産地によって価格は変動しますが、最も一般的な高麗芝であれば、1束(1㎡)あたり400円台~800円台の範囲で販売されていることが多く、これは他のホームセンターと比較しても非常に競争力のある価格帯です。
なぜ価格に幅があるかというと、主に「産地」や「入荷時期」が影響しているためです。例えば、輸送コストが比較的かからない関東近郊の産地から仕入れた芝生は安価な傾向にあります。また、シーズン終盤には在庫処分のために価格が下がることもありますが、品質が落ちているリスクも高まるため、一概にお得とは言えません。
価格だけで選ぶのは危険!品質チェックを忘れずに
魅力的な価格はカインズの強みですが、それゆえに週末などはお客様が集中し、状態の良いものからどんどん売れていきます。「安いから」と安易に飛びつかず、後述する「鮮度の良い芝生の見分け方」をしっかりと実践し、ご自身の目で品質を確かめることが、最終的な満足度を高める上で非常に重要です。
カインズは芝生用の土や肥料、除草剤などのオリジナルブランド商品も充実しています。これらの資材と芝生をまとめて購入することで、トータルコストを大幅に抑えることが可能です。コストを最優先に考え、かつご自身で品質を見極める目を持つ方にとって、カインズは最高のパートナーとなり得るでしょう。
最新の価格や在庫状況、オンラインショップでの取り扱いについては、公式サイトで確認するか、最寄りの店舗へ直接問い合わせることをお勧めします。(参照:カインズ公式サイト)
コメリでの芝生販売時期と予約方法

全国に広がる店舗網を持ち、特に農業が盛んな地域に根ざした品揃えでプロの農家からも厚い信頼を得ている「コメリ」。その信頼性は、園芸用品、もちろん芝生の品質管理にも表れています。しかし、コメリが他のホームセンターと一線を画す最大の強みは、オンラインと全国の店舗網を連携させた、独自の「予約注文サービス」にあります。このサービスを理解し、活用することで、芝生の購入体験は「探し回る」ものから「計画的に受け取る」ものへと劇的に変わります。
コメリにおける2つの購入方法
コメリで芝生を手に入れるには、2つのルートがあります。それぞれの特徴を理解し、ご自身のスタイルに合った方法を選びましょう。
① 店頭での一般販売
もちろんコメリでも、他のホームセンターと同様に、春(3月~5月頃)と秋(9月~10月頃)のシーズンには店頭に天然芝が並びます。地域密着型の店舗が多いため、その土地の気候や農作業のスケジュールに合わせた、きめ細やかなタイミングで入荷が始まるのが特徴です。ふらっと立ち寄って、少量だけ購入したい場合や、実物を見てから決めたい場合には、こちらの方法が便利です。
② 【コメリの真骨頂】オンライン予約・店舗受け取りサービス
計画的に、そして最高の品質を求めるユーザーにとって、コメリの「オンライン予約・店舗受け取りサービス」は、現状考えられる中で最も賢明な選択肢の一つと言えるでしょう。これは、事前にオンラインで希望の芝生を注文・決済し、指定した日時に最寄りのコメリ店舗で新品の芝生を受け取るという画期的なシステムです。
なぜコメリの「予約」は最強なのか?3つの圧倒的メリット
このサービスがなぜこれほどまでに推奨されるのか。その理由は、芝生購入におけるユーザーのあらゆる不安を解消する、以下の3つのメリットに集約されます。
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- メリット①:収穫直後の「最高の鮮度」が保証される
予約された芝生は、店頭に並んでいる在庫ではありません。コメリが注文数を取りまとめ、提携する優良生産農家へ発注。それを受けて、農家が畑から芝生を切り出し、店舗へ直送します。つまり、畑からあなたの手元に届くまでの時間的ロスが極限まで圧縮されるのです。これは、スーパーで朝採れの野菜を買うのと同じこと。長時間店頭に積まれて弱ってしまうリスクがほぼゼロの、最高のコンディションで芝張り作業をスタートできます。 - メリット②:「売り切れ」「在庫不足」の心配が一切不要
「週末に買いに行ったら、人気のTM9が売り切れていた」「20㎡分欲しかったのに、5束しか残っていなかった」といった、ホームセンターでの芝生購入で最もストレスのかかる事態を完全に回避できます。特に10㎡以上の広い面積に一度に張りたい場合、必要量を確実に確保できるこのサービスは絶大な威力を発揮します。 - メリット③:自分のスケジュールに合わせた「完璧な計画性」
「この土日に作業を完了させたい」という、あなたのスケジュールが最優先されます。芝生の受け取り日をピンポイントで指定できるため、その日に向けて、整地や土壌改良といった時間のかかる下準備を無駄なく、計画的に進めることが可能です。芝生が手元に来てから慌てて準備を始める必要はありません。
- メリット①:収穫直後の「最高の鮮度」が保証される
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予約サービスの具体的な利用フロー
利用方法は非常にシンプルです。
- コメリの公式通販サイト「コメリドットコム」にアクセスします。
- 「芝生 予約」などのキーワードで商品を検索し、予約受付中の商品を探します。
- 高麗芝、姫高麗芝、TM9など、希望の品種と必要な数量(束数)を選択します。
- 受け取りたい店舗と希望の受け取り日を選択します。
- オンラインで決済を済ませ、予約は完了です。
- 指定した日時に店舗へ行き、サービスカウンターなどで予約した商品を受け取ります。
予約サービスの注意点
- 予約受付期間は毎年変動します。春に購入したい場合は2月頃から、秋に購入したい場合は8月頃から、公式サイトをこまめにチェックし始めましょう。
- サービスの利用には「コメリドットコム」への会員登録が必要です。
- 一部、店舗受け取りサービスの対象外となっている店舗もあります。
- 天候不順により、生産地での切り出し作業が遅れ、稀に受け取り日が変更になる可能性もあります。
コメリは、従来の店頭販売という選択肢に加え、「予約」という強力なカードを提供することで、芝生購入の常識を変えました。特に、苗の品質と作業の計画性を何よりも重視する方にとって、コメリの予約サービスは、あなたの芝生の庭づくりを成功へと導く、最も確実なナビゲーターとなってくれるはずです。詳細は公式サイトでご確認ください。(参照:コメリドットコム)
ジョイフル本田での芝生販売時期

「どうせDIYをやるなら、道具にもこだわりたい」「必要なものを、専門家のアドバイスを聞きながら一箇所で全て揃えたい」そんな、本格志向のDIY愛好家やガーデナーから絶大な支持を集めるのが、超大型ホームセンター「ジョイフル本田」です。他を圧倒する広大な売り場面積と、プロユースにも応える専門的な品揃えは、芝生の購入体験においても、他店とは一味違った価値を提供してくれます。
販売時期と豊富な在庫 - ガーデニングシーズンの「安心感」
ジョイフル本田における天然芝の販売時期も、園芸の基本に則り、春(3月下旬~6月頃)と秋(9月~10月頃)の2シーズンがメインとなります。ジョイフル本田の強みは、その広大な「ガーデンセンター」が持つ在庫の豊富さにあります。多くの場合、シーズン中は相当量の芝生が安定して供給されるため、「週末に行ったら売り切れていた」というリスクが比較的低いのが大きなメリットです。
取り扱い品種は、スタンダードな高麗芝が中心となりますが、店舗によっては姫高麗芝や、時にはTM9のような省管理型の品種が入荷されることもあります。特に、ガーデニングに力を入れている大型店舗では、複数の品種を比較検討できる可能性も高まります。最新の在庫状況や取り扱い品種の詳細は、店舗の規模によっても異なるため、訪問前に最寄りの店舗のガーデンセンターへ直接問い合わせるのが最も確実です。
ジョイフル本田を「芝張りプロジェクトの拠点」にするメリット
ジョイフル本田で芝生を購入する最大の利点は、単に芝生が手に入ることだけではありません。芝張りという一つのプロジェクトを完遂するために必要な、あらゆる専門資材と道具、そして知識が一堂に会している点にあります。
- 専門的な土壌改良材:芝生の生育の土台となる土作り。ジョイフル本田では、基本的な「芝の目土」はもちろんのこと、水はけを改善するための「川砂」や、土の保水性・通気性を高める「パーライト」「バーミキュライト」、土壌の酸度を調整する「苦土石灰」など、庭のコンディションに合わせた専門的な土壌改良材が豊富に揃っています。
- 豊富な肥料・薬剤の選択肢:芝生の初期生育を助ける元肥から、生育期に使用する追肥、さらには病害虫対策の薬剤まで、プロも使用するような幅広いラインナップの中から、専門知識を持つスタッフに相談しながら最適なものを選ぶことができます。
- 多種多様な道具類:安価な手動の芝刈り機から、高性能な電動・エンジン式の芝刈り機、根に空気と水を行き渡らせるための「エアレーション」用具(ローンスパイクなど)、芝生の縁をきれいに整える「ターフカッター」まで、あらゆるレベルのニーズに応える道具が揃っています。
芝生は購入して終わりではありません。その後の育成とメンテナンスこそが重要です。ジョイフル本田は、その長期的な視点に立った庭づくりを強力にサポートしてくれる、まさに「プロジェクトの拠点」となりうる存在です。芝生選びと同時に、その後のメンテナンスプランまで見据えて資材や道具をじっくりと選びたい、という方にとって、ジョイフル本田は最高の環境を提供してくれるでしょう。
広大な店舗ゆえの注意点
ジョイフル本田は店舗が非常に広いため、芝生の売り場や関連商品の陳列場所が離れていることがあります。また、重量のある土や肥料などを駐車場まで運ぶのにも距離がある場合があります。店内マップを事前に確認し、効率的に回るルートを考えておくと、スムーズに買い物を進めることができます。もちろん、重量物運搬用のカートは十分に用意されていますので、積極的に活用しましょう。詳細は公式サイトでご確認ください。(参照:ジョイフル本田公式サイト)
ホームセンターで芝生が枯れている場合

さて、ここからは芝生選びにおける最大の落とし穴であり、同時にDIY成功の成否を分ける最も重要なテーマについて解説します。それは「苗そのものの品質の見極め方」です。どんなに最適な時期に、評判の良い店舗で購入したとしても、あなたが最終的に手に取った芝生の苗そのものが弱っていては、これまでの努力が水の泡となってしまいます。何度でも強調しますが、ホームセンターの芝生は「生鮮食品」です。鮮度こそが命なのです。
なぜ品質が劣化するのか? - 店頭での過酷な環境
まず、なぜホームセンターで品質の劣化した芝生(枯れている、または枯れかけている芝生)に出会ってしまうのか、その背景を理解しておきましょう。生産農家から出荷された時点では元気だった芝生も、店頭での環境によっては、急速にコンディションを落としてしまうことがあります。
- 蒸れ(むれ):芝生の束は、輸送効率のためにパレットに高く積み上げられて陳列されます。このパレットの中心部や下層部は、風通しが極端に悪くなります。芝生自身の呼吸熱や土に含まれる水分の蒸発によって、そこは高温多湿のサウナのような状態に。結果として、カビが発生したり、葉が腐り始めたりする「蒸れ」という現象が起きます。
- 乾燥:一方で、パレットの外側や最上段に置かれた芝生は、直射日光や店舗の空調の風に直接さらされ、水分が奪われやすくなります。店舗スタッフによる散水が十分に行き届かないと、土はパサパサに乾き、根がダメージを受けてしまいます。
- 日照不足:パレットの中間層は、光が全く当たりません。植物である芝生は、光合成ができない状態が続くと、葉の緑色を維持できなくなり、黄色く変色する「黄化(おうか)」という症状を起こします。
このように、店頭での陳列環境は、芝生にとって必ずしも快適とは言えないのです。だからこそ、私たち購入者自身が、その中から宝石のような「元気な苗」を見つけ出すための「目」を持つ必要があります。
プロが実践する「五感を使った」鮮度チェックリスト
元気な芝生と弱った芝生を見分けるのは、決して難しいことではありません。少しの知識と注意深い観察力があれば大丈夫です。ここでは、プロが実践している、五感をフル活用したチェック方法を伝授します。
【これはNG!】避けるべき芝生の特徴
- 【視覚】色が悪い:全体的に茶色や黄色がかっていて、緑色が薄い。葉に元気がなく、しなびている。束の側面にカビのような白い綿状のものが見える。
- 【触覚】軽い・乾いている:手に持ってみて、明らかに軽いと感じる。土を触るとパサパサで、指に水分が全くつかない。
- 【嗅覚】異臭がする:カビ臭い、または蒸れて腐ったような酸っぱい匂いがする。
- 【裏側】根が黒い:束を少しめくって裏側を見たとき、根が黒ずんでいたり、茶色く変色してブチブチと切れている。
【これを選ぼう!】元気で新鮮な芝生の特徴
- 【視覚】色が鮮やか:葉全体が鮮やかな緑色をしている。(※春先の冬枯れ状態の苗でも、枯れ葉の中に緑色の新芽が力強く見えているものが理想です)。葉がしおれず、全体的にピンと立っている。
- 【触覚】ずっしりと重い:手に取った時に、見た目以上の「ずっしり」とした重みを感じる。これは、土が新鮮な水分をたっぷりと含んでいる何よりの証拠です。
- 【嗅覚】土の良い香り:顔を近づけると、雨上がりの庭のような、土と草の新鮮で自然な香りがする。
- 【裏側・最重要】根が白い:束の裏側を確認したとき、白くてみずみずしい根が土の層からたくさん伸びている。これが、生命力が旺盛であることの決定的なサインです。根が芝生のエンジン部分だとすれば、白く元気な根は、まさにパワフルな新品エンジンです。
究極のテクニック:店員さんへの「魔法の質問」
自分で見分ける自信がない、あるいはもっと確実な情報が欲しい、という場合に使える究極のテクニックがあります。それは、園芸コーナーのスタッフに、以下の「魔法の質問」を投げかけることです。
「すみません、この芝生の入荷日はいつですか?」
この一言だけで、あなたが得られる情報の質は劇的に向上します。もし「昨日入荷したばかりですよ」「今朝入ったところです」という返答が得られれば、そのパレットの芝生は、陳列環境によるダメージをほとんど受けていない、非常に鮮度の高い状態である可能性が極めて高いと判断できます。入荷直後であれば、パレットのどの位置の芝生を選んでも、大きな失敗はないでしょう。
もし状態の悪い芝生しか無かったら…
残念ながら、訪れたタイミングによっては、どの芝生を見ても状態が良くない、ということもあり得ます。そんな時、「せっかく来たから…」と妥協して購入してしまうのが、最も避けるべき行動です。弱った苗は、その後の育成で何倍もの手間とコストがかかる上に、結局は枯れてしまい、時間もお金も無駄にしてしまうリスクを伴います。そんな時は、きっぱりと「その日は購入を見送る」という勇気を持ちましょう。そして、別の店舗を訪れるか、次の入荷を待つのが、賢明な判断です。
総括:ホーム-センター芝生販売時期
この記事では、ホームセンターでの芝生の販売時期から、あなたの庭に最適な品種の選び方、そして鮮度の良い苗を見分けるための具体的なチェックポイントまで、網羅的に解説してきました。多くの情報がありましたが、最後に、あなたが理想の芝生の庭を手に入れるための重要なポイントを、忘れないためのチェックリスト形式でまとめます。
- ホームセンターの芝生販売は春と秋の2シーズンが基本
- 春は3月下旬から6月頃までで品揃えも豊富
- 秋は9月から10月頃で春より販売期間は短め
- 芝張りに最も適した時期は成長期に入る前の3月から5月
- 春植えは梅雨の水分を活かせるため活着しやすい
- 秋植えは冬前の根張り期間が短いため霜柱のリスクに注意
- 初心者やコスト重視なら定番の高麗芝がおすすめ
- 美しい景観を求めるなら繊細な姫高麗芝
- メンテナンスの手間を減らすなら省管理型のTM9
- カインズは手頃な価格帯が魅力でコストを抑えたい場合に最適
- コメリはオンライン予約で新鮮な芝生を計画的に受け取れる
- ジョイフル本田は専門的な関連資材も一度に揃う
- 芝生選びは生鮮食品と同じく鮮度が最も重要
- ずっしりと重く裏側の根が白いものが元気な苗の証拠
- 最高の苗を選ぶには店員さんへの入荷日の確認が効果的
美しい芝生の庭づくりは、適切な知識と計画から始まります。この記事が、あなたの素晴らしいガーデンライフの第一歩となることを心から願っています。
こちらの記事では住宅購入に関する疑問や課題について解説していますので、ぜひ参考にしてください。